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プロフィール

bacilli(旧世界土協会 World Dirt Association)

土の組成は、地球の記憶・記録でもあり、物質的にも機能的にも科学的にも興味深い。bacilliは、土を多方向からのメッセージとして、サンプリングを繰り返してきた。近作では、嗅覚や五感で体験することで、そのイメージに広がりを持つ作品を展開している。土は、乾燥した状態に水分を含ませる事によって、匂いが蘇る。それは、忘れられていたどこかの記憶が、その拍子で昨日のことのように思い出される現象に似ている。また、土は本来その場固有のものだが、嗅覚、視覚、触覚などによって、それぞれの持つ土の記憶に接続し、撹拌させたいと思う。

2014年より、南条嘉毅James Jack吉野祥太郎は、世界土協会World Dirt Associationとして、アーティストコレクティブとして活動してきた。制作を継続する中で、私たちは土という素材を吸収し、解釈し、新たなものとして吐き出すという行為が、土中で活動する微生物の生態に類似していることに、今後の作品展開のヒントを見つけたように思う。「bacilli-バシライ-」は微生物バクテリアの一部総称を指すラテン語である。2022年より名前を変え、普段は聞こえない土の声を、「bacilli」の活動によって構成していきたい。