矢萩 理久・福原 優太 二人展 - Introduction –

展覧会会期 : 8月5日(月)-8月9日(金)
時間 : 10:00ー19:00 (最終日9日は15:00まで)

 
Introduction
7/5に僕の先輩である吉川卓さんから、吉野祥太郎さんを紹介していただき、S.Y.P Art Space にて展示をさせていただけることになった。展示前に吉野さんと顔合わせをさせていただくため、S.Y.Pにお伺いしたのが7/6のこと。そこでは東京造形大学の絵画専攻の二人展が行われており、僕が訪れた日はちょうどオープニングパーティーが行われていた。オープニングパーティーには、芸大生や多摩美生と、美術の道を志す若人たちが集まっていたがどうも武蔵美生の姿はなかった。吉野さん曰く、芸大生や多摩美生もよくS.Y.Pで展示を行っているということだった。僕はこの事実に衝撃を受けたのだ、同じ美大でも武蔵美はこの輪に参加をしていないということに。それならまず僕が武蔵美をこの輪の中に取り込む行動を起こそうと考えたのだ。そのためには武蔵美らしい個性が必要だと考え、武蔵野美術大学四年油絵科の福原優太に本展へ参加してもらうことにしたのだ。彼の油絵と僕の彫刻で武蔵野美術大学の「紹介」に、そしてすべての武蔵美生にS.Y.Pの「紹介」になればいいなと思い本展を企画、実行した。「紹介」により多くのものが繋がっていき新しい世界を創造していく力になることに、僕は期待をしている。     
                                  矢萩理久

作家ステートメント

矢萩 理久

日本人であるということを大切にしたい。僕は日本人だということに誇りを持っている。そんなことから「陶」という素材を選択している。僕は、陶は日本の代表的な素材だと思っている。陶の起源は中国にあるのだが、朝鮮を介し日本に伝承し、日本でまた独自の変化をし文明を発展させて行ったのだ。そんな歴史のある陶で、僕が日本人だからこそ出来る造形を追い求めていきたい。また、陶というものは窯に一度作品をあずける。窯の領域では僕は非常に無力である。しかし、その行為のおかげで自分では未知の領域から新しいものを得て作品は現れる。その作品との関係性に僕は魅力を感じている。最近では自分の見たことのない・見たい光景を作るということに重きを置いて制作をしている。誰かのために何かを表現するのではなく、自分のために表現をし何か問いかけができればいいなと考えている。
福原 優太
同級生の作品の影響を受けている。それが自分の資質にとって明らかに向いていないものでも、受けてしまう影響はどうしようもない。そんな中アトリエ(幸工房)を借りた。誰の目にも触れられず、1人作品制作に没頭する時間を作ったことで、進行形で受け続けた影響は止まり、縛られていた何かから解放された。やりたいこと、やってきたことが明快に現れだした。絵というフィルターを通し、私は見たことのあるものを誰も見たことのないものに変換する。今までは無意識のうちに行ってきたそれを意識的に表現していくことで新たな発見を探している。