9/29 – 10/4 Emerging Artist Review 小林玲於 個展

Emerging Artist Review  小林玲於 個展

9月29日(木)〜 10月04日(火)13:00 – 20:00

9月29日(木)・10月01日(日)は24時間開廊・作家在廊 11:00 – 11:00
24時間のビデオ作品と現実の時間を同期させます。
※深夜にご来場の際には絶対に騒いだりしないよう、近隣への配慮をお願いいたします。

10月01日(土)17:00 – 20:00
Opening Party
Artists Review (作品についての意見交換)

Emerging Artist Reviewとは、(http://arttokyo.sub.jp/?p=239

若手アーティストの発表と経験をサポートするために、美術関係者(評論家、キュレーター、ギャラリストなど)との交流の場をつくります。
アーティストは作品を発表し、そこに集まる様々な方よりいろいろな意見・見解を受ける事ができ、美術関係者は新たなアーティストを発見・育成する事ができます。

作家コンセプトノート

    膨大な映像情報によって隅々まで画像化した風景のなかで、入出力機器の関係性、内部構造の作用から画像とは何か、画像をもたらす光について考えています。 

 本展では、1990年代から2000年代はじめのCCD(Charge Coupled Devices)を構造にもつ複数台デジタルカメラを使用して太陽を撮影した平面と映像の作品を展示します。

 「百一の太陽」は撮影された映像から断面を取り出したものをプリントしたものです。強力な光源である太陽を撮影するとカメラの画素によって分割された領域に光が照射され、そこから溢れでた電荷が垂直方向の別領域電荷に作用を及ぼして白飛びの垂直線が現れます。それは「スミア」と呼ばれる現象になります。スミアは世界を写す機械にとっては欠陥でもあります。改良によってあらゆる機械が生産、消費されスミアは改善されてきました。しかしそれら光を取り込む機械が、飽和量まで光を浴びた時に現れる垂直線の形態と色彩によって差異づけられ固有性を獲得します。またそれらの集合はある機械群の集合記憶を示唆します。

「とある日」は昼の状態の太陽を固定カメラで撮影し複数の時間軸を再構成した23時間58分1秒の映像作品です。映像を見ることは複数の時間を漂流する錯覚をおぼえます。それは映像に没入したり。周りの音や内容によって覚醒させられたりすることを映像の始まりと終わりの中で何度も行き来させられるからです。この映像の進行速度、長さは1日を構成する状況に近づけながらも緩やかな変化の中で認識しづらいかたちで別の時間軸、速度に移行していきます。太陽の運動の形がずらされており、運動で時間を示唆することはできません。映像がもつ時間性を空間に作用させながらも、画像との距離から、近づきながらも遠ざかるような映像になればと考えています。

                                                 小林玲於